薬剤師の資産形成術として、誰でも資産を増やすことが可能であることをお伝えしています。
今回は、資産形成では投資信託よりも、高配当株ETFが優れていることを解説します。
比べて成績が良いのは、投資信託
一般的に投資信託(eMAXIS Slim 全世界株式やSBI・V・S&P500インデックス・ファンド 等)を、つみたてNISA等の非課税制度を使って20年~30年の長期でコツコツ積み上げることが、最も確実に資産を築ける方法と言われており、過去のデータからも裏付けられています。
それに比べ高配当株ETF(VYM・HDV・SPYD等)の積み立て投資は、定期的な配当金が出るものの、20年~30年後の総資産額は投資信託に劣ります。 投資期間が長い程、その差は顕著に表れます。
例えば毎月5万円を投資信託と高配当株ETFに投資した場合を比べてみましょう。
10年後 | 20年後 | 30年後 | |
投資信託 5万円/月・成長率8% | 1,079万円 | 3,267万円 | 7,993万円 |
高配当株ETF 5万円/月・成長率5% | 895万円 +配当金26.9万/年 | 2,250万円 +配当金67.5万/年 | 4,458万円 +配当金133.7万/年 |
配当金を考慮しても、20年・30年後の資産額は明らかに投資信託の方が大きいですね!
更に、上記の表は課税分を考慮していないので、税引き前の金額になります。しかし投資信託は年間40万円(3.33万円/月)の非課税枠を使えるため、高配当株ETFよりも税金で引かれる分を少なく出来ます。
そのため実際に手元に残る金額の差は更に大きくなり、投資信託のパフォーマンスの良さが分かります。
投資信託の決定的なデメリット
では、資産形成の王道である投資信託にデメリットは無いのでしょうか?
残念ながら投資信託にも下記のようなデメリットが存在します。
売るまでは十年単位で我慢を強いられる
投資信託は配当金が出ないため、保有している投資信託を売って初めて使えるお金になります。
20年~30年間積み立て続け、その後、少しずつ保有している投資信託を売ってお金にします。
当然、資産形成期間中の数十年は資産形成しない場合よりも使えるお金は少ないため、お金の自由は感じにくくなり、ひたすら我慢を強いられます。お金を自由に使えないことは、人によってはストレスとなるでしょう。
投資の達成感を感じない
投資信託は20年~30年後のパフォーマンスは素晴らしいですが、資産形成中は自由にできるお金が増えず、投資をしていて中々達成感を感じません。
更に、大きなイベント等でお金が必要になった場合には、やむを得ず保有している投資信託を売ることもあり得ます。その場合、積み上げてきた資産を減らすことになります。
人は、得をすることと損を避けることでは、損を避ける方向に意識が向きやすいと言われています。
そのため、投資をしている達成感は感じづらく、いざという時は損をしたと感じやすい投資法とも言えます。
売り時が難しい
一般的に株式投資は買うよりも売る方が難しいとされています。
老後になって投資信託を切り崩す際に、暴落が起きている可能性も少なからずありますし、逆に高騰する可能性もあります。
上記の通り人は損を避ける習性があるため、「今、投資信託を売ると損をするのではないか?」と言う疑問や不安が、常について回ります
売り時を完璧に予測することはプロでも不可能であるため、築いてきた大事な資産を切り崩すには、相応の精神力も求められます。
以上まとめると、
・投資信託は20年~30年後のパフォーマンスは高いが、そこまで辿り着くまでに金銭的・精神的我慢を強いられる。
・更に辿り着いた後に築いてきた資産を取り崩すと言う不安リスクもある。
と言えます。
普通の人は投資信託をコツコツ積み立てられない?
一般の人が資産形成をする上で大事なのは、コツコツと積み上げ続けることです。時間と複利を味方につけて資産を築くのが王道です。
しかし、理屈は分かっていても続かない人が多く存在します。
ゴールにたどり着くまでの道のりが果てしなく長く、その間に確実に数回、株式の暴落が起きます。
もちろん長期的に見れば確実にプラスになるので、暴落が起こった場合も意に介さず積み立て続けることが正解です。
しかし、大事に積み上げてきた数百万円~数千万円が半額近くになって、精神的に耐えられる人は中々いません。暴落の際には、これ以上損をしないように売ってしまう行動に出る人が後を絶たないのです。そして、市場が暴落から立ち直ったときに我に返り、後悔の涙を流すことになるのです。
投資をしたことが無い人や、経験が浅い人から見ると、「最終的に資産が増えると分かっているのに、そんな馬鹿な行動を取るはずがない」と思われるでしょう。しかし、暴落の最中は自分の資産が減り続けており、正常な判断を下すことは困難です。実際に暴落が起こった際は、多くの人が投資から手を引いてしまうのです。
高配当株ETFのメリット
高配当株ETFは投資信託に比べ、20年~30年後のパフォーマンスは劣っています。
しかし、それを補ってあまりある力があります。
キャッシュフローをもらたし、自由にできるお金を感じる
高配当株ETFは配当金を定期的に得られるます。もらえる金額は3%前後と言う、決して多くない数字ですが、不労所得としては十分な金額です。
配当金の使い道は自由です。私は、配当金を再投資するよりは、自分の人生を豊かにする使い道を考えることをお勧めします。
何に使えば自分や自分の大切な人が喜ぶか?を考えることは、人生の豊かさに繋がると考えているからです。
売り時を考える必要が無い
投資信託と違い配当金が目的であるため、売る必要がありません。
したがって自分の積み上げてきた資産を減らす恐怖はなく、ひたすら積み上げることで資産と配当金を育てることが可能であり、安心感も得られます。
投資信託と同じように、資産形成中に暴落も必ず発生します。積み上げてきた資産が半減することもありますが、投資信託と違い配当金を貰えるため売る必要がありません。仮に売ってしまうと、配当金の減少を招くからです。そもそもこの投資法の目的が定期的に配当金を得ることなので、暴落時の評価額はそれほど気にする必要がありません。
投資する楽しみがある
これが、最も大きな利点です。
高配当株ETFは投資すればするほど、配当金が大きくなります。
自分の「資産」と、「配当金」という自由に使えるお金を育てることを体感でき、その経験が更に投資の意欲を高めてくれます。
続ければ続けるほど配当金という成果が大きくなり、楽しみが増えます。
未来への希望を感じられ、コツコツと投資を継続する力となるのです。
成果があると、継続し易い
繰り返しになりますが、資産形成する上ではコツコツと積み上げることが重要です。
ダイエットでの筋トレや、将来に向けた勉強も、継続することが大事ですが実践し続けるには強い意志が必要です。途中で挫折してしまった経験を持つ人は多いのではないでしょうか?
少ない負荷や、短い勉強時間だとしても、ゴールに向かっている人はいずれ成功します。
高配当株ETFは配当金という楽しみ(成果)を定期的にもたらすため、続ける意欲を維持できるのです!
それぞれの利点を理解して、良いとこ取りしよう!
資産形成する上での、高配当株ETFの魅力をお伝えしました。
では、高配当株ETFに全力で投資するのが良いかと言うと、答えはNOです。
これまでにもお伝えしてきましたが、投資金額に対するパフォーマンスは投資信託の方が上です。
結論から言うと、「どちらにも投資する」ことが私の答えです。
・つみたてNISAでの限度額40万円/年は投資信託(eMAXIS Slim 全世界株式やSBI・V・S&P500インデックス・ファンド 等)に投資する
・それ以外の余裕資金(例えば、5万/月)を高配当株ETF(VYM・HDV・SPYD等)に積み立て投資する
が、私の結論です。
高配当株ETFで定期的な配当金を得ることで自由にできるお金が増えていることを実感し、投資を継続する意欲をつけ、資産形成の本丸である投資信託を継続して大きな見返りを得る。
精神的にも、経済的にも優れた方法であると確信しています。
実際にこの方法で投資を始めてからは、投資することへの不安よりも楽しみを感じ続けています!
ただ、投資信託と高配当株ETFに年間100万円程投資することになるので、そこまで投資に回せるお金が無い方もいると思います。
人には色々事情があるため、この金額に当てはめることにあまり意味はありません。
目安として例えの金額を記しただけですので、今、投資に回せるお金が少ないことは気にする必要無いので安心して下さい。
諦めずに考える。自分の為に。
「投資に回せるお金が少ない方」や「もっと投資したい方」に気にして欲しいこと、伝えたいことは
「投資額を諦める」ことではなく、「どうすれば今より多く投資できるか?」を考えることです。
資産を築くには、お金について考えましょう。
あなたの資産を築くのはあなたであり、他人はしてくれません。
私は欲求は大事だと考えています。
そして、それ以上に「欲求を実現するためにどうすれば良いか?」を考えることが生きる上で重要だと信じています。
「あれが欲しい」「お金を得たい」「家族・友人を喜ばせたい」「人の助けになりたい」等の欲求は、考えることへつながる大事な大事なきっかけです。
子供がお店で「あのおもちゃが欲しい」などとねだり、親が「何でも欲しがってはいけない」と窘める光景は良く目にします。私もそう言われてきました^^。
でも私は、子供がおもちゃを欲しがることを悪いことだとは思いません。大人だって、買えもしないものを色々欲しいと思って生きているのに、なぜそれが悪いと言えるのでしょうか?
私が悪いと思うのは、「どうすれば欲しいものを手に入れることが出来るか?」と、考えることを止めてすぐに諦めてしまうことです。
例えすぐにお金が手に入らなくても良いんです。加入している保険やサブスクを見直して、不要なものはカットして、そのお金を回すことだって考えられます。
収入を増やすための転職活動に、お金はかかりません。
もしそれらの効果がなくても、「今、この方法を考えて実行してみた」と言う経験はあなたに残ります。
経験値が増えたあなたが次に考える際には、「その上でどうするか?」から考え始めれば良くなります。
私は、自分の人生を良い方向に導くのは自分であり続けたいと思っています。
そして、あなたの人生を最も良い方向に導くのは、あなたであり続けて欲しいと願っています。
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