(調剤)薬局で働く薬剤師が毎月受け取っている給与。
その源泉はどのようになっているのでしょうか?
体系的に理解している薬剤師は意外と少ないかも?
この記事では薬剤師が扱うお金の流れを、わかりやすく解説します!
給与の元を生み出しているのは?
会社から私達薬剤師に支給されている給与は、当たり前ですがその会社が利益(お金)を生み出していなければ、いずれ枯渇してしまいますよね。
では、その利益(お金)は誰がどの位、会社に支払っているのでしょうか?
患者様?支払基金?
下図に薬剤師が関わるお金の流れを記しました。
ここから私たちの給与に至るまでの道筋をみてみましょう!
それでは私たちが得る給与を軸にして順番に見てみましょう!
・私達、薬剤師に給与を支払っているのは? → 会社!
・ではその会社に利益(お金)を支払っているのは? → 保険者と患者様!
・その利益(お金)を生み出しているのは?(源泉は?) → ★調剤等の医療サービス!
薬剤師の給与の元を生み出しているのは、調剤業務だと分かりますね。
会社に利益を支払うのは、主に保険者
会社に利益(お金)を支払っているのは保険者と患者様です。
私達が勤める薬局で毎月行っている調剤報酬請求(レセプト請求)は、社保(社会保険診療報酬支払基金)や国保(国民健康保険団体連合会)等に提出しています。
しかし社保や国保は正しい請求を行っているか確認する審査機関であり、実際にお金を支払っているのは患者様が加入している保険者です。
一方の患者様から受け取る一部負担金は、毎日目にしている方も多いので感覚的にわかり易いですね。
患者様から受け取る一部負担金は、明確に決められています。
・0才~義務教育就学前までは2割負担
・義務教育就学~69才以下は3割負担
・70才~74才以下は2割負担(現役並み所得者は3割)
・75才以上は1割負担(現役並み所得者は3割)
※こども医療や各種公費の受給制度を利用することで、実際の窓口支払いは異なります
そして保険者が残りの7割~9割を負担します。
保険者は、保険料と言う形で私たちの給与から毎月天引きされているお金を受け取っています。
ちなみに私たち従業員の保険料は、会社も半分負担しています。
私たちの会社に調剤報酬を支払う財源ですね!
この財源で、調剤報酬だけでなく医師の診療報酬や公費、介護、福祉制度等を賄っています。
しかし残念ながらこの保険料だけでは、国民の医療費や福祉制度を賄えていません。
詳しい話はこちらで記事にしていますが、税金も財源となっています。
薬剤師は患者様(国民)への対応で、その能力を発揮する
私達、薬局薬剤師の給与の源泉となるのは、患者様への調剤等の医療サービスです!
お金の流れからみてみると、会社の利益の源とも言えますね。
私達の行う調剤業務は調剤報酬点数表にある通り、厚生労働省によって定められています。
調剤は、国民の健康に深く関わるため薬剤師の技術料は明確に決められているのです。
誰もが平等に調剤を受けられる制度と言えますね!
在宅業務をはじめとして、今の時代は薬剤師が薬局の外でも活躍することを求められていますが、基本となるのは患者様への正確・誠実な対応です。
たまに患者様への対応をないがしろにする薬局や薬剤師をみかけますが、この国の制度を理解していればあり得ない話ですよね。
お金の視点からだけではなく、医療従事者の心構えとしても残念です。。
もし職場の風土や環境として、悪しき慣習がある場合は異動や転職等で環境を変えることをお勧めします。
せっかく薬剤師という人の役に立てる職を得ても、環境がそれを許さないのは明らかに間違っているからです。
多くの企業や薬剤師は自分のやるべきことを理解して、国民の健康増進のために働いています。
自分の限りある人生は、自分が納得できる場所で過ごしたいですね!
あなたが関わる患者様とあなた自身の健康を、心よりお祈り申し上げます。
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